「プラントベースの食事に変えると食費が高くなる?」
新しいデータでは、プラントベースの食事は動物性食品を選ぶよりも安価であるということが示されました。
世界のニュースより、興味深い内容を紹介します。
世界中で食料品の価格高騰が続いている
アメリカでは9月に入り、スーパーマーケットの食料品の価格が、去年と比べ2.7%の値上がりとなっています。
しかし、この状況に苦しんでいるのはアメリカだけではありません。
2025年の始めに行われた欧州中央銀行の報告によると、ヨーロッパ全体の食料品価格が2019年と比べて、約3分の1ほど上昇していることがわかりました。
多くの家庭では、財布の紐を締め、不必要な支出を削減していくようになりました。
多くの人は高価な食料品を避けるようになり、その中でも植物性食品で作られたプラントベースの食品も “高価な食品” として避けられがちになってきました。
しかし研究によると、プラントベースの食品は多くの人が思っているよりも高くない、ということがわかりました。
プラントベースの食品だけを入れた買い物かごの方が安い【ある調査結果】
ヨーロッパに拠点を置くNGO団体ProVegが行ったドイツでの最近の調査によると、プラントベースの食品だけを入れた買い物かごは、動物性食品が入った買い物かごに比べると5%ほど安くなることがわかりました。
この調査結果を出すために、ProVegはドイツの大手のディスカウントスーパーやスーパーマーケットの商品の調査を行いました。
そして動物性食品とプラントベースの食品を比べた結果、プラントベースの食品の方が価格が安いことを発見したのです。
例えば、ドイツの大手ディスカウントスーパーのリドル(Lidl)では、プラントベースの食品ばかりを入れた買い物かごの方が18%安かったことが分かりました。
プラントベースの食事で節約できる?【アメリカの事例】
動物性食品の価格が上昇しているのは、ヨーロッパだけではありません。
アメリカでも、牛肉や卵の価格がここ数か月で高騰しています。
それでも多くの人は、プラントベースの食品の価格が動物性食品よりも高いと考えています。
ワシントンに本部を置く非営利団体PCRM(責任ある医学をめざす医師委員会)と調査会社モーニング・コンサルト(Morning Consult )が7月に実施したアンケート調査では、アメリカの成人の60%以上が
「植物性の食事は、動物性食品を含む食事より高くつく」と考えていることが分かりました。
しかし、研究では逆の結果も多く報告されています。とくにシンプルで栄養価の高いホールフードを摂取する場合、研究結果は一目瞭然です。
2021年に行ったオックスフォード大学の研究では、普段からプラントベースの食事をしている人は、最大で3分の1ほど食費を減らせる可能性があることがわかりました。
PCRMの登録栄養士・広報担当者のザビエル・トレンド氏は、「旬の野菜を買い、割引き中の缶詰などのまとめ買い、作り置きをすることや、じゃがいも・豆・玄米といったお財布に優しい主食を摂る、といった工夫が大きな違いを生み出している」と語っています。
ほかにも「このように賢く買い物をしていくことで、健康を損なうことなく節約につながります。」とも語っています。
参考サイト : https://vegnews.com/plant-based-foods-more-affordable-than-meat-data
配信日 : 2025年11月11日
Proveg Inernational 食と環境の未来を良くすることを目指す国際NGO団体:https://proveg.org/
Physicians Committee (PCRM) 責任ある医学をめざす医師委員会:https://www.pcrm.org/
記事担当:Kayoko


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