「ヴィーガンの食生活、プラントベースの食事で節約する方法を知りたい」
この記事では、プラントベースの食事に挑戦してみたい人や、ヴィーガンの食生活を続けている人に向けて、食費を節約するためのヒントを世界のニュースをもとに紹介します。
アメリカの栄養士が「プラントベースの食事は節約になるのか」という視点で語っています。
節約だけじゃない嬉しい効果!プラントベースの食事

プラントベースの食事へ切り替えると、健康促進や環境問題の解決につながると言われています。
しかし多くの人が気になっていることは、「手頃な価格で購入できるの?」という点です。
確かにヴィーガンミートやヴィーガンチーズなどは高価なこともあります。
しかしプラントベースの食事の主食である穀物・豆類・野菜・果物は、実は手軽な価格で買えることが多いです。
そして上手く食事の計画を立てれば、プラントベースの食事は食費の節約や食品ロスの削減にもつながります。
まとめ買いや旬の食材を上手に取り入れることで、風味豊かで栄養価の高い食事を楽しみながら賢く節約することが可能なんです。
次の章では、賢く節約する方法を詳しく解説しています。
ヴィーガンがスーパーマーケットで節約するには?【アメリカの事例】

ここで重要なのは、シンプルで加工品を最小限に抑えた「ホールフードプラントベースの食事」こそが、最もコスパが良い食事方法だということを覚えておいてください。
以下の10のヒントを、アメリカ生活習慣医療学会(ACLM)の認定栄養士、テリー・クリスマン氏と、ロサンゼルスを拠点として活動する栄養士のデイブ・コースト氏が、プラントベースの食事で節約する方法として解説しています。
1.ホールフードを選ぶ
加工されたヴィーガン製品は便利ですが、コスパは良くありません。
ヴィーガンチーズやプラントベースのハンバーグ1袋の値段は、豆腐1丁やレンズ豆1袋の2~3倍の値段になることがあります。
買い物リストの食材をホールフードに置き換えることで、毎週の食費を大幅に削減できます。
例えば豆腐やレンズ豆などの豆類は、満腹感があり栄養価も高く、とても使いやすい食材です。
栄養士のクリスマン氏は、実際にコスパ・使いやすさが最高ともいえるホールフードの食材を紹介しています。
- オートミール|全粒オーツ麦
オートミールは朝食だけではありません。実は3食、全ての食事に使えます。
オートミールを粉砕したオートミール粉は、パンケーキやマフィン、クッキーなどに使え、さらに野菜やスパイスを混ぜれば、風味豊かなオートミール焼き「お好み焼き」が作れます。
- 豆腐
他のたんぱく質(肉や魚)を使う時と同じように使います。カレー、炒めもの、スープや、煮込み料理など、幅広く使えます。
スムージーに加えると、クリーミーな食感とたんぱく質が加わります。さらにチーズも作れるので、チーズケーキやチョコレートムースのベースにもなります。
エアフライヤーを使えば、揚げ豆腐が作れます。
- 乾燥豆類
乾燥豆は缶詰の豆に比べると最大で75%安く、スーパーマーケットで購入できます。
豆類は食事だけでなく、クッキーなどのスナックにも使えます。とても美味しく、栄養価が高い食材です。
- バナナ
バナナは、最も安いフルーツのひとつです。そのまま食べるのも美味しいですが、乾燥させてバナナチップスにすると良いです。バナナチップスは美味しいだけでなく、実はポテトチップスよりも健康的なんです。
バナナは皮をむいて冷凍しておくこともできます。冷凍バナナはアイスクリームやスムージーに入れたり、砂糖や卵の代わりにケーキに入れることもできます。
- トマト缶
トマト缶はトマトを買うよりも安く購入できます。パスタソースやミネストローネスープ、カレーに使います。
2.まとめ買いをする

実はまとめ買いこそが、ヴィーガンやプラントベースの食事をする場合の最も効果的な節約方法のひとつです。
オートミールやお米、豆類、ナッツ、シード類やスパイスなどのまとめ買いは、長期的に見るとかなりの節約になります。
多くのスーパーマーケットや健康食品店では、バルク品(業務用に大量梱包されたものや量り売り)コーナーを設けていて、そこにはお米や小麦粉などの穀物、オートミール、乾燥豆類、ドライフルーツなどの乾燥した食材が売っています。
これらの食材は少量で買うよりも大幅に安く買うことができます。ほかにも業務用などの大容量で購入すると1袋あたりの価格が安くなることが多いです。
そして量り売りの良い点は、買いたいものを好きなだけ買えることです。新しい食材を試したい時に、大量に買う必要がありません。お店によっては、スパイスも詰め替え用として購入できます。
ロサンゼルスの栄養士のコースト氏は、実際にコストコで、オートミール、キヌア、パスタソースなどを、すべてまとめ買いしているそうです。
3.旬の食材や地産地消の食材を活用する
旬の季節以外の新鮮な野菜や果物の中には、輸入品も含まれており高価になることがあります。
食材を節約するための最善の方法は、地元の旬の食材を買うことです。安いだけでなく、より新鮮でおいしい野菜や果物が手に入ります。
例えばさくらんぼや桃の季節のときに、これらの果物を積極的に買いましょう。食べきれない場合は冷凍や乾燥すると、日持ちがします。
住んでいる地域で旬の食材を見つけるには、オンラインで簡単に検索するか、地元のマーケットやマルシェに行ってみるのがおすすめです。
ロサンゼルスの栄養士コースト氏によれば「とくに葉物野菜は安い」ことが多いそうです。
4.献立を立てて自炊する

毎日の献立を立てることは、食品ロスを無くし、食費を節約する最も効果的な方法のひとつです。
まずは冷蔵庫に余っている食材を使って、一週間の献立を立ててみましょう。そこから買い物リストを作成し、買い物をします。
大きな鍋で多めに作ったレンズ豆のスープ、ロースト野菜の盛り合わせ、ひよこ豆のカレーを多めに作れば、市販のものと比べると少ない費用で、その週の作り置きができます。
作り置きに便利な万能な食材を多めに買いましょう。
ヴィーガン料理人でテレビにも出演しているThe Modern Tiffin の著者・プリヤンカ・ナイク氏は
「料理は真っ白なキャンバスに絵を描くようなもの。自分の好きなようにアレンジして、味付けをしていきます」と語っています。
5.冷凍食品を購入する
冷凍野菜や果物は、プラントベースの食事をする上で節約するひとつの方法でもあります。
冷凍された野菜や果物は完熟した状態で収穫され、すぐに急速冷凍されます。栄養価はそのままで、新鮮な状態よりも安価になる場合があります。旬の期間をすぎると、いちごやブルーベリーなどのベリー類は高価になるので、どうしても食べたい場合は冷凍されたものを買うことで節約になります。
6.食材の無駄を最小限にする

実はアメリカ人が食材の30~40%を無駄にしていると言われており、最終的にお金の無駄遣いへと繋がっています。
食品ロスを無くすには、新鮮な野菜や果物を適切に保存して長持ちさせましょう。例えば、余りがちなブロッコリーの茎や人参の葉など、余った食材もスープや炒めものに使います。そして残った食材は腐る前に冷凍保存しましょう。
実際にロサンゼルスの栄養士・コースト氏は、葉物野菜・イモ類・豆やお米、キヌアを毎週の献立に使っているそうです。
これらの定番食材は、調理がしやすくとても便利です。例えばタコスボウルが食べたい気分のとき。食材が全てそろっているので、あとはトルティーヤやサルサを用意するだけで十分なんです。
このようにして料理の負担が軽減されます。
食品ロスを無くすために、残った食材を使い切るための献立を、週の終わりに取り入れることがおすすめです。
7.高価なヴィーガンブランドは避ける
新製品のヴィーガンチーズ、プラントベースのジャーキー、ココナッツミルクのアイスクリームなど、新しい商品が出ると試してみたくなりますね!
これらの商品を嗜好品として特別な日に食べるのはいいですが、普段から食べていると、食費があっという間に底をついてしまう可能性があります。
食料品の大半はスーパーの生鮮食品が置いてあるエリアから選び、買い物かごには、ヴィーガン専門コーナーから1〜2品だけ新しいものを試す余地を残すようにしましょう。
こうすることで、日常の必需品をしっかり確保しつつ、新しい食材に挑戦したり、好奇心を満たす余裕も作れます。
そしてお店で買えるヴィーガン食品を自宅で作ることもおすすめです。
自家製フムスやカシューナッツで作るヴィーガンチーズ、プラントベースのハンバーグは簡単で美味しく作れ、お店で買うよりも安くなります。
オンラインでレシピは簡単に見つかります。そして自家製のものを作ることによって節約になるだけではなく、健康にもなります。
8.スーパーマーケットの自社ブランド製品を買う
多くのスーパーマーケットでは、自社ブランドの豆の缶詰やパスタ、植物性ミルクや冷凍野菜・果物が安価で売られています。
これらの商品は、他のブランドのものと同じ原材料で作られ、同様の品質基準を満たしています。安価に買えるのは、ブランドやマーケティングにかかる追加コストが掛かっていないからです。
長期的な視点で見ると、自社ブランドを選ぶことによって、大幅な節約につながる可能性があります。
そして、スーパーマーケットの自社ブランドはここ数年でかなり良くなってきています。
例えばコストコが展開しているカークランド(Kirkland)は、同じカテゴリーの有名ブランドより優れていることが多いです。特にお米やオートミールなどの主食になるものについては、こういった自社ブランドを選ぶことをおすすめします。
9.インドなどのアジア系食料品店で買い物をする

インドや他のアジア、ラテン系の食材を扱う食料品店では、実は手頃な価格でヴィーガン向けの食材がたくさん売っている場所でもあります。
とくにお米や豆腐、スパイス、豆類がスーパーマーケットよりも安く手に入ることが多くあります。
これらのお店では、プラントベースの食事のレパートリーを広げるための新しい食材を手に入れるための最適な場所でもあります。
ヴィーガン料理人のナイク氏は、「アジアやインドの食材を扱う食料品店では、アメリカの一般的なスーパーマーケットに比べると、安くて種類の豊富な食材を販売しています。」と語っています。
新鮮なハーブや野菜を、安く購入できます。さらにアメリカのスーパーマーケットでは手に入らない、アジアの野菜や果物を購入できます。
10.家庭菜園に挑戦する
もし家の中や庭に空きスペースがあるなら、そこでハーブや野菜を育ててみましょう。食費の節約にもなり、自家製のハーブや野菜を使うことによって、普段の料理が栄養価の高いものに変わります。
バジル、パクチー、小口ネギなどを窓際で育てるだけでも食費の大きな節約になります。
夏はズッキーニ、トマト、葉物野菜などを育てれば、これらの野菜を買う必要が無くなります。
まとめ:プラントベースの食事は食費の節約につながる
現在の食料品価格の高騰は、多くの人が抱えている悩みです。しかしヴィーガンの食生活やプラントベースの食事を実践することにより、実は大幅な食費の節約につながります。
特にホールフードに重点を置き、献立作りや作り置きをして上手に買い物をしていくことが鍵となります。
食材を無駄なく使いながら、栄養価が高く満足感のあるプラントベースの食事を楽しみましょう。
業務用スーパーでのまとめ買いや、作り置き、旬の食材を使う、献立を立てながら自炊する方法は、日本でも実践できそうですね!
今日も最後まで読んでいただい、ありがとうございます。
美味しくて健康にもなれる「プラントベースの食事」を一緒に楽しんでいきましょう!
参考サイト : https://vegnews.com/plant-based-diet-affordable-budget-saving-tips
配信日 : 2025年8月29日
American College of Lifestyle Medicine(ACLM) 慢性疾患の根本治療を目指すアメリカ生活習慣医療学会:https://proveg.org/
記事担当:Kayoko



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