ヴィーガンとは?プラントベースとの違いは?プラントベース栄養学って?

近年、「ヴィーガン」や「プラントベース」という言葉は、当たり前に知られるようになってきました。
どちらも植物性食品を基盤としたライフスタイルを指していますが、異なる成り立ち、意味を持っています。
改めて、ヴィーガンって何?プラントベースとどう違うの?というのを知ってみませんか?
この記事では、それぞれの定義や違いを簡単に解説します。


目次

ヴィーガンとは?

まず、ヴィーガンとは、食事だけでなくライフスタイル全般において、動物を搾取しないことを目指す生き方です。

ヴィーガンという言葉を1944年に提唱したイギリスのヴィーガン協会(The Vegan Society)によると、ヴィーガニズムは「動物の搾取や虐待を可能な限り避ける哲学および生き方」であり、「食品、衣類、その他の目的で動物を使用しないことを含む」と定義されています。

ヴィーガンの定義ヴィーガン協会(The Vegan Society)より

「ビーガン主義とは、食用、衣類、その他の目的での動物の搾取や虐待を、可能な限り排除しようとする哲学と生き方です。さらに、動物、人間、環境の利益のために、動物を使わない代替品の開発と使用を推進します。食事の観点では、動物由来または一部由来の製品をすべて摂取しない習慣を意味します。」

一般的に「ヴィーガン」
  1. 食事の特徴:動物性食品は避ける。
  2. 目的: 動物倫理の観点から動物を搾取しないこと 
  3. 柔軟性: 可能な限り排除
  4. 健康面:植物性中心の食事にすることで健康にもつながるが「ヴィーガン」表記の商品などでは超加工品なども多く、健康的では無いものもある。

ヴィーガンを選ぶ理由は?


多くの人がヴィーガンを選択する主な理由は、思いやり(Compassion)と言われています。
現在、SNSなどの普及により、ヴィーガンの情報やその食事内容、畜産の背景や動物たちの様子を知れる手段が増えたことや、地球環境、野生動物へもの影響も知られるようになり、世界的に、ヴィーガンの選択を支持する人たちが増加傾向にあります。
また、植物性の食事が健康的である、「動物性食品を食べなくても栄養面の問題がない」ことも一般的に知られるようになり、健康面でも心配する必要なく、ヴィーガンの選択が支持されやすくなりました。

動物への思いやり
動物の苦しみを減らし、搾取をなくしたい。
すべての動物の命を尊重し、ペットと家畜の区別をしない考え方。

環境への思いやり 🌍
気候変動や森林破壊、水資源の浪費を防ぐために、地球に優しい選択をしたい。

人類への思いやり 👥
世界の食糧問題を解決し、すべての人が十分な食事を得られる社会を目指す。
健康的な食生活を促進し、病気を予防することで医療負担を減らす。

ヴィーガンは単なる食事の選択ではなく、**「自分以外の存在を思いやるライフスタイル」**として捉えられることが多いです。


プラントベースとは?

一方で、「プラントベース(Plant-Based)」は、主に健康や栄養面に焦点を当てた植物性中心の食事法、を指します。
プラントベースは、1980年代に、栄養学博士のT・コリン・キャンベル博士(T. Colin Campbell)が、科学的な文脈として使い出したことから、広まってきたと言われていますが、一般的に「プラントベース」として紹介されている内容は、博士が提唱している「プラントベース栄養学」よりは幅広い解釈の「植物性を基準にしたもの」として利用されていることもあります。

以下が現在、一般的に「プラントベース」と言われている主な特徴です。

一般的に「プラントベース」
  1. 食事の特徴:植物由来の食品を中心( 野菜、果物、穀物、豆類、ナッツ、種子など)
    動物性食品は避ける、または最小限にする。
  2. 目的: 主に健康促進や病気予防が目的である。環境問題や動物倫理の観点も含めることもある。
  3. 柔軟性: 厳密なルールが少なく、個人のライフスタイルや目標に合わせて調整して取り入れている人が多い。
  4. 幅広い解釈:健康目的な場合が多いが、「プラントベース」表記の商品などでは超加工品なども多く、栄養学とかけ離れ、健康的では無いものもある。

動物性のものをを排除する、というよりも、植物性のものを増やして健康的になっていく、ということのに焦点を当て、ポジティブなイメージで取り入れやすいと、言われています。

では、プラントベース栄養学って?

では、プラントベースの元となっている「プラントベース栄養学」と上記の「一般的に言われているプラントベース」はどのような違いがあるのでしょうか?解説をしていきます。

プラントベース栄養学とは、科学的根拠に基づき、「理想的な人類の食事とは?」に焦点を当てた、最新栄養学の学問となっています。
現代病と言われている、癌、心臓病や糖尿病などの慢性疾患と食事の関係について、大規模で長期的な研究などを元に、ホールフードプラントベースの食事こそが、健康的な食事である、と導き出されました。

プラントベース栄養学とは
  1. 食事の特徴:推奨されているのはホールフードプラントベース。植物由来の食品を加工度の低い状態で食べること。( 野菜、果物、未精製の穀物、豆類、ナッツ、種子など)
    避けるものは、動物性食品、加工度の高い食品、 精製されているSOS(シュガー、オイル、ソルト)
  2. 目的: 実験、研究結果を元に科学的根拠に基づいた、真の健康促進や病気予防改善。
  3. 柔軟性:健康のため 動物性食品は避けるように努めるのが健康のためには望ましい。
  4. 概念:健康や栄養は、ホーリズム(全体)で考えることが大事

どのような食事をしている人でも、長期的な健康を維持するためには最新栄養学であるプラントベース栄養学の知識が役立ちます。適切な知識を持つことで、健康的でバランスの取れた食生活を実現できます。

近年、アメリカでは、クリントン元大統領や、現ニューヨーク市長のエリック・アダムズ氏など、政治家の中でもプラントベース栄養学を元にした食事により、糖尿病などの克服をされたことから、政治レベルでも「プラントベース栄養学」の推奨が増えてきています。ニューヨークでは、病院食、学校給食でも、プラントベースの割合が増え、医師たちにも、最新栄養学を学ぶ機会が増え、健康改善のためにプラントベースの食事法が指導されるようになっています。

プラントベース栄養学の代表的なドクターたちの中には、コリンキャンベル博士、エッセルスタイン博士、マイケルグレガー博士などがいます。


食品の傾向や推奨の違い、まとめ

ということで、科学的根拠に基づいたプラントベース栄養学では、
「ヴィーガン」や一般的な「プラントベース」よりも、動物性食品だけでなく、加工度の高い食品や、シュガー、オイルなどを避けることが、健康につながっていく、「ホールフードプラントベース」の食事が推奨されています。

食品ヴィーガンプラントベースプラントベース栄養学
ホールフードプラントベース)
野菜・果物、豆類
ナッツ・種子類
全粒穀物(玄米・全粒パン・オートミールなど)
精製穀物(白米・精製小麦パンなど)精製されているものは推奨しない
植物性オイル△(控えめ推奨。)精製され、脂質100%のものは推奨しない
加工食品(ジャンクフードなど)○(ヴィーガンのものならOK)△(プラントベース表記商品では加工品も多い。避ける傾向の人も)×加工度の高いものは推奨しない
砂糖○(ヴィーガンならOK。
精製白砂糖には精製過程で牛骨が使用されているものがあるため避ける)
△(商品では含まれているものが多い、
避ける傾向の人も。)
×加工度の高いものは推奨しない
動物性食品 
肉(牛・豚・鶏)魚、乳製品、卵
×△(避ける傾向)×健康リスクのため推奨されない

ヴィーガン、プラントベース、プラントベース栄養学でも、まず初めは、自分のペースで取り入れていくのが大事。ゼロか100でなく、できる範囲で取り入れていくことから始めること、続けていくことを推奨されています。

ヴィーガン、プラントベースの商品

商品としては、ヴィーガン、プラントベースの表記がある場合、100%動物性不使用が基本となっていますが、そうでない場合もあるので、原材料をチェックしましょう。


販売やレストラン業などをされている方は、ヴィーガン、プラントベース表記をつけているのに動物性食品が入ってしまうと、信頼を損ねてしまいます。しっかり内容を確認し、ヴィーガン認証を得ることで、ヴィーガンの方にも安心して購買して頂けます。日本のヴィーガン認証はこちら(ベジプロジェクトジャパン)


まとめ 

ヴィーガンとプラントベースは似ているようで異なる経緯や特徴を持っていることが分かりましたね。
植物性中心の生活を取り入れることで、健康を保ちながら、環境問題や動物たちの状況においても、持続可能な社会の実現に貢献する一歩となっていきます。
それぞれの特徴を理解し、ご自身の目標に合わせて学びを深めながら、良いところを、あなたの食生活やライフスタイルに取り入れていってみてはいかがでしょうか。


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